タミヤ ソ連軍 JS-2

第2次世界大戦は兵器開発のシーソーゲームでもあった。
片方が新しい兵器を開発すると、それに対抗する為にこちらも開発。
東部戦線での戦車は特にその傾向が顕著であった。
ソ連軍の主な戦車だけでもT-34、KV-1、JS-2。
主砲も76mmから85mm、122mmと巨大化。
対戦車車両もSU-85、SU-100、SU-152、JSU-152、JSU-122・・・
ドイツ軍も上げると枚挙に暇が無くなるので止めておこう。

で、今回は日本が世界に誇るタミヤ模型のJS-2を作ることに。
オリオンモデルズの模競第3戦のテーマが「ソ連軍戦車」なのだ。
これはもう張り切って製作するしかない。
塗装は仲田師匠の「戦車模型の作り方」を参考にしよう。
さすが、世界のタミヤ模型。
少な目の部品数で手堅くまとめてあり、実に作りやすい。
最近は異常とも言える程の部品構成で、どこに何のパーツが付くのか分らず、
設計図の間違いも多々見受けられるが、タミヤに限ってそんな事はない。

まあ、一箱\4,410-と言うのは、
もはや「子供の楽しいおもちゃ」とは言えないが、
今の模型業界を引っ張っているのは大人だからいいか・・・
例によって全くの素組み。
ディティールアップだの、鋳造表現だのの類は全くやっていない。
ってゆーか、私にはそんなの無理。
唯一の工作は砲塔の溶接跡を溶きパテで盛っただけ。
接着剤を多めにタップリと塗って、はみ出しただけにしたかったのですが
(そっちの方が楽だし、手抜きになる・・・)あんまり上手くいかなかったので
チョイと手を加えたのです。
キャタピラはポリキャタピラを使用。
ポリキャタピラと言っているのだが材質は何だろうか‥?
知らないのだ。接着と塗装が出来るのは実に素晴らしい
だって、こっちの方が楽チンだし。

キャタピラの弛みは仲田師匠の「戦車模型の作り方」を参考に真鍮線で。

個人的には気に入りました。
砲塔に描かれている白帯は対空標識として有名です。
タミヤアクリルの白を筆塗りで行いましたがなかなか難しいですね。
しかし「JS-2らしさ」を出す要素の一つなので私なりに気合を入れましたよ。
最初はマスキングしてエアブラシがいいかなとも思ったのですが
それだと、綺麗過ぎてしまうので、筆塗りで正解だったと思います。
JS-2は1944年3月のコルスン包囲戦に初めて実戦参加。
強力な122mm砲はティーガーとパンターを仕留め、
優れた防御力により、ティーガーとパンターでも仕留め難かった。
ソ連軍中で最良のドイツ軍戦車キラーとして以後は活躍する。

主砲に採用された122mm砲は元々は46.5口径122mm野戦榴弾砲A-19を
戦車用に改造したもので、1000mでティーガーとパンターの正面装甲を撃ち
抜く事が可能だった。後のT-10に至るまでソ連軍重戦車の主砲として採用さ
れる優秀な戦車砲だ。模型で見ても太く長い砲身で破壊力を感じさせる。

当初は車体正面が垂直に切り立っており、そこに操縦手用の装甲バイザー
がありそこが弱点だった。それに気付いたドイツ軍はそこを狙って攻撃をした
という。対策として車体正面を作り直したのがこのモデルだ。通称:JS-2mと
呼ばれる。車体正面は避弾経始を考慮しなだらかなスロープを描き、装甲バ
イザーも廃止され、覗視孔に変わった。


完成した模型をJS-2、ティーガー、パンターと並べるとJS-2は一回り小さい。
実際、重量も46tと3車中最軽量だ。この車体の小さも優れた避弾経始と厚い
装甲と共に生存性の高さに一役買っているのだろう。もっとも欠点がない訳で
も無い。狭い車体内で戦車兵は窮屈で重労働を強いられたし、122mm砲弾
は大きいから搭載も28発と少ない。これでは1回の戦闘で足りなかったので
はないだろうか。そこは大量に集中使用する事で補ったと思われる。間違い
なくソ連軍のW.W.2最優秀の重戦車だ。










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